新たな恋の始まり


「あの•••ありがとうございました」


「お前さぁ」と言いながら
一歩一歩近づいてくる課長。


「す•すみません」一歩一歩
下がる私。


「逃げなくても何もしないよ」
と言うので足は止まった。


「もっとさぁ 言い返したりしないわけ?
言われっぱなしで
自分の主張しないと損するよ」


「塩崎さんのパワーに圧倒されて」


「アイツはすごいな
あんな女が1番嫌い!」


「本当課長がいてくれて
助かりました
あのまま延々と言われ続けてたかも
知れません」


「助かった?」


「はい」


「助かったと思うなら
今からちょっと付き合え
飯ぐらいはいいだろ」


お礼にご飯をご馳走しろと?


「あ•••はい
でも•••恥ずかしい話ですけど
今日持ち金なくて
その辺りのラーメン屋とかなら
大丈夫ですがそのぉ。。。
高級なところはちょっと無理なので」


「いいね!そのノリ」
と課長はお腹を抱えて笑い始めた。


「バァーカ!部下に奢らせるなんて
そんなことしないよ
それに傷心で今日誕生日の
最悪な部下に」


そこまで全部言いますか•••••。


「で?もう帰れるのか?」


「はい でも
もう大丈夫なんでご飯とかいいです」


「うん?まさか?
慰めるために誘ってると思ってる?
助けた代わりに付き合え!って
言ったんだけど?」


「そうでした」


まさかの展開で
大谷課長と食事をすることになった。


何を話していいのかわからず
ただ課長に着いて歩く。


課長も何も話さないから
このシーンとした嫌な雰囲気が続き
このまま食事に行って
大丈夫なのだろうか?
不安だった。




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