新たな恋の始まり


課長の知り合いのお店だと言う
ステーキハウス。


受付で「店長呼んでくれる?」
と言うとすぐに
「忙しいのに誰?と思えば
やっぱりお前かぁ」
と笑いながら現れた。


「売上に貢献してやるのに
お前かぁーはないよな」


「はいはい めんどくせっ!」


「ってかさぁー彼女?
聞いてないんだけど?」
上手く行ったわけ?」と
課長に尋ねた。


誰かの勘違いされてる?
だから私は
「いえ!!!違います!!!
私は会社の部下です」と
すぐに訂正した。


「部下ね•••」


「そんなことよくて
席空いてない?」


「連絡ぐらいしてこいよ
席ぐらい押さえておくのに」


「空いてねーのかよ
どれぐらい待ち?」


「ゆーてもうすぐ空くけどな
後片付けてセットしたら案内できるから
それまで待って」


「すぐに片付けろよ
それにこの子今日誕生日だから
サービス頼むよ」


「はいはい了解了解 ふふっ」
となぞの笑いを残し厨房へと向かった。


待ってる間に
その人との関係を話してくれた。


幼稚園のころからの
幼馴染の尾崎俊介さんで
康介•俊介と名前まで似てて
双子の様に育ったらしい。


「あいつはいつもハイテンションだからな
ごめんね 彼女だとか」


「いえ!こちらこそすみません
私の様なのが彼女だなんて
笑っちゃいますよね
さっき2人に言われたばかりなのにね」


嫌なことを思い出した。


「いやいや•••
まっ!とりあえず乾杯するか」


食前酒として白ワインが出されたので
それで乾杯すると言う。


「課長は車なのに
アルコールだめですよ」


「ふふっ ノンアルだから大丈夫」


だよね
車だからね。


「傷心で今日誕生日の永井さん
うん?永井さん今日で何歳?」


傷心。。。ほどでも。。。


「22です」


「22歳の永井さん
永井さん?下の名前は美波だったよな?」


「そう美波です
美しい波と書いてみなみです
実際は美しくもないですけど
垢抜けない田舎くさい女ですハハハ」
 

さっき2人に言われたこと。


「美波 誕生日おめでとう」


私がまだ話してるのに
おめでとうと私の持っているグラスに
自分のグラスを合わせて来た。


課長って自己中なのかもしれないが
こんなイケメン課長に
マジマジと見られて美波と
名前を呼ばれると緊張してしまう。


「あ•••ありがとう•••ございます」


「相手が不足だろうけど
まぁこんな日は1人でいるよりマシだろ」


「いや•••全然•••不足じゃないです」


「それにあのクソ男よりはいいだろ」


比べものになりません。。。


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