マリンブルーの囁き
土曜日。
私は先輩に指定された待ち合わせ場所に足を運んだ。
ネイビーを基調とした花柄のワンピースは、この日のために新調したもの。
少しでも大人っぽく見えるようにと茶系のシャドウをふんだんに使った目元と、赤い紅で彩った口元。
普段はストレートの髪も緩く巻いてみたりもした。
家を出る前に何度も鏡でチェックをしたのにも関わらず、すぐそばにある飲食店の窓に反射して映る自分をチラチラと見てしまう。
どこかおかしくないかな。
先輩はこのワンピースを気に入ってくれるかな。
不安と期待が入り混じりながら待つ私の元に先輩がやって来たのは数分後だった。