愛妻御曹司に娶られて、赤ちゃんを授かりました
私はおばさまの顔を見ずに、あくまで冷静に答える。
「佑ひとりに背負わせるつもりだとしたらお門違いです。会社とはそういうものではないと思います」
「咲花ちゃん!」
「失礼します」
振り切るように店を出て、強く鳴り響く鼓動を感じながら通りかかったタクシーを拾った。一刻も早くここから離れなければならない。
吐き気が収まらない。タクシーの後部座席にぐったりを身体を預け、このまま家まで乗せてもらおうと決めた。ちょっと高額だけど、体調には代えられない。
何より、早く私たちの街に帰りたかった。あの人たちが知らない私たちの家に。
おばさまの言葉が頭の中に響く。
『佑を陸斗から奪うということがどれほど大きなことか』
わかっている。わかっていて、私は佑を望んでいる。
おばさまにはああいうふうに答えたけれど、佑が陸斗を辞めたらどれほど大きな影響が出るだろう。実務的な部分もそうだけれど、後継者の離反は対外的にどう見られるか。
けして考えなかったわけじゃない。
だけど、陸斗建設がどうなるかよりも、私は佑とお腹の赤ちゃんを大切にしたい。優先したい。親の考えなんか知らない。私は佑と生きていくの。
そう考えながら、知らず頬を涙がつたっていた。
「佑ひとりに背負わせるつもりだとしたらお門違いです。会社とはそういうものではないと思います」
「咲花ちゃん!」
「失礼します」
振り切るように店を出て、強く鳴り響く鼓動を感じながら通りかかったタクシーを拾った。一刻も早くここから離れなければならない。
吐き気が収まらない。タクシーの後部座席にぐったりを身体を預け、このまま家まで乗せてもらおうと決めた。ちょっと高額だけど、体調には代えられない。
何より、早く私たちの街に帰りたかった。あの人たちが知らない私たちの家に。
おばさまの言葉が頭の中に響く。
『佑を陸斗から奪うということがどれほど大きなことか』
わかっている。わかっていて、私は佑を望んでいる。
おばさまにはああいうふうに答えたけれど、佑が陸斗を辞めたらどれほど大きな影響が出るだろう。実務的な部分もそうだけれど、後継者の離反は対外的にどう見られるか。
けして考えなかったわけじゃない。
だけど、陸斗建設がどうなるかよりも、私は佑とお腹の赤ちゃんを大切にしたい。優先したい。親の考えなんか知らない。私は佑と生きていくの。
そう考えながら、知らず頬を涙がつたっていた。