じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~
しかし、ハッとして目を開けた。
すると目の前には見慣れた制服。
誰かの胸に支えられていることがわかった。
誰?
そう思いながら上を見上げると中島君だった。
(あれ?つい今さっきまで少し離れた黒板の前に居たのに、どうしてここにいるんだろう…)
『あ、ごめんね。ありがとう』
そう、慌てた感じでお礼を言う。
『ふうっ、気をつけて』
そう言って、立ち去った中島君。
彼の目や表情は、私にはとても怒っているように、でも、何だか哀しそうに見えた。
何だろう…。なぜ怒っているのかな。
でも、あの時、支えてくれた中島君の胸。
とっても優しくて、安心感があった。
あのまま、ずっといられたらよかったな…。
そんな事を考えていた。