一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

二十分後、高級として名高い【パシフィックブルーホテル】に到着。実花子には敷居が高すぎて、エントランスにすら足を踏み入れた経験はない。

拓海は入り口に車を止めて実花子を助手席から下ろし、近づいてきたホテルマンに車のキーを預けた。

どうやら、このホテルで食事をするらしい。偶然とはいえ、いつものカジュアルなパンツスタイルじゃなかったのは幸いした。なにせ行き交う人の大半がエレガントな装いだったからだ。
中身はともかく、見た目では場違いな目を向けられるのを避けられそうで安堵する。

煌びやかなホテルの空間に思わず目を閉じる。光が強いのではなく、高級感が醸し出す威光とでもいうべきか。

立ち止まって仰ぎ見ている実花子の腰に拓海の手が回され、意図せず「きゃっ」と柄にもない声を上げた。単なるエスコートになにを過剰反応しているのか。

でも、それもまた女性らしくて、拓海の求めるタイプとは違ってナイスだ。
グッジョブだと自分を鼓舞するものの腰に添えられた手が気になり、歩き方がおかしくなる。慣れない五センチヒールのせいもあり、はたから見たらロボットが歩いているように見えるに違いない。

拓海が実花子を案内したのは、ホテルの最上階にあるフレンチレストランだった。雑誌でも度々話題になるお店だ。千沙が以前、目を輝かせて話をしていた記憶がある。
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