一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

ひとり飲みは慣れているが、それは相手がいない場合。こうして面と向かって食事をするのに、自分ひとりだけがお酒を飲むのはさすがに気が引ける。拓海もお酒は好きなほうだと知ったから余計だ。

それに、飲み過ぎてこの前のような事態になるのは避けたい。


「ほんとに気にするな」
「でも」
「いいから」
「いいえ、飲みません」


そんな押し問答をあきれるほど繰り返して、結局は実花子が一杯だけ飲むことで決着がついた。拓海も実花子に負けず劣らず強情だ。
グラスの半分ほど飲むと、前菜が運ばれてきた。


「季節野菜のエチュベ ホタテのポアレ添えです」


チンプンカンプンの料理名だ。クエスチョンマークでいっぱいになった直後、深く考えるのはよそうとあっさりあきらめてナイフとフォークを持った。

一定のリズムで料理を口に運びながらも、たまに外の景色に目を奪われる。そのときふとした疑問が沸いた。


「夜景って、どうしてゆらゆら揺れるんでしょうね」
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