一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
感じた疑問をそのまま口にする。
「夜空の星も揺れて見えることがない?」
たしかにそれもあると、星空を思い浮かべてうなずいた。
「この場所と光の場所との間に、空気のゆらめきがあるせいだよ。光の屈折が起きるんだ」
「ゆらめき?」
「煙突や工場、大きなビルからは暖かい空気が排出されていて、その空気が上昇するときに起きる現象。地上の陽炎と同じ現象だよ」
「そうなんですね」
どうしてだろうねと、ふたりで首をかしげて終わるものだと思っていた。回答を得られるとは考えていなかっただけに、拓海の解説が高尚なものに聞こえる。
知識を予期せず披露され、拓海の株が上がった。
あくまでもちょっぴりだけど。それこそミリ単位。いや、ミクロン単位か。
その後、運ばれてきたスープに魚料理、メインの肉料理も名前はどれも理解不能だったが、おいしいものを食べさせると言っていた拓海の言葉を裏切らないものだった。
デザートとコーヒーが出てくるころにはお腹も舌も大満足。一杯だけと決めていたワインは五杯も飲んでしまった。