一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
これでは拓海の望むよく飲み、よく食べる〝豪快な女〝、つまり結婚すべき相手という印象を強めるばかりだというのに。実花子はお酒が入ると止められないときているから情けない。
「どうだった?」
「こんなにおいしいフランス料理ははじめてです」
どちらかと言えばフランス料理はおしゃれなばかりで、味は二の次という印象があった。さすがは高級ホテルの最上階に鎮座するお店。期待を遥かに超える満足度だ。
「それはよかった。また一緒に来よう」
おいしいからうなずきたいが、実花子には使命がある。その狭間で大いに揺れる振り子。どれほど食いしん坊なのかと、自分にはほとほと呆れかえる。
「それと、これは祐介くんに」
拓海がテーブルの上を滑らせたのは、さっき店員が運んできたケーキでも入っていそうな白いボックスだった。なんだろうと思っていたが、まさか祐介へのお土産だとは。
「ここのカレー」
「カレーですか?」