一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
でもあれは、単に驚いただけではなかったか。
「……好きなのかな。どうだろう」
「んもうっ、実花子ちゃんって本当に鈍いんだから」
千沙は運ばれてきた三種のチーズと生ハムのサンドイッチを頬張った。
短時間の観察で千沙が見抜くくらいであれば、いつもそばにいる拓海はとっくに気づいているのだろうか。
――いや、拓海も実花子に劣らず鈍いタイプだから、真里亜がなにかアクションでも起こさない限り気づかないだろう。
だとすれば、真里亜は今頃どんな気持ちで拓海のそばで仕事をしているだろうか。ずっと思いを寄せていたのに、実花子が恋人として突然目の前に現れたのだ。複雑という言葉でひとくくりに説明できるものではないはず。
なぜか胸がやけにチクチク痛い。おまけにみぞおちのずっと奥のほうがぎゅうっと押されているようだ。不可解な心の乱れに襲われる。
真里亜本人になった気分になり、気持ちがリンクでもしたか。
「そういえば実花子ちゃんのイメチェンの評判ね、上々みたいよ」
「……え?」