一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~


千沙におもしろがってからかわれたため、じとっと湿気を含んだ目で睨んだ。好きでそう呼び合っているわけではない。避けられない事態に遭遇して仕方なくなのだ。
そう呼ばなければ、頬を両手で包み込んだまま離さないと言われたことを思い出して、意味もなく顔が赤くなる。


「でも、なんかうれしいな。実花子ちゃんの彼氏の話ができるなんて。大学生のとき以来だもんね」


恋愛話は、実花子がいつも千沙の聞き役。相談事を持ちかけられても、なにひとついいアドバイスができない情けない状態だった。千沙は「聞いてもらえるだけでいいの」と気づかってくれたけれど。

でも、拓海は彼氏であって彼氏でない。恋焦がれて嫉妬して悩んで。そういう相談をできないのが少し寂しいと感じるのは事実だった。
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