一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
シャワーを浴びて支度をしマンションを出ると、お見合いの日に相応しく晴れ渡った空が広がっていた。春の霞がかった雲ひとつない青空は、二日酔いの実花子には少し眩しいくらいだ。
夕方間近の優しい日差しを受けながら駅まで歩くこと五分。そこから電車に揺られ、指定場所の最寄り駅で降りる。
はじめて降り立った駅の前には緑鮮やかな公園が広がっていた。そこを抜ければ約束のカフェはあるはず。
穏やかな園内はベビーカーを押しながら散歩する夫婦や、子ども同士で走り回る姿があちらこちらで見える。
そんななか足を進めていると、ある大きな木の前で小学校低学年くらいの女の子が泣きべそをかいている光景に出くわした。
いったいどうしたのだろうか。
辺りを見渡してみたが、近くに親らしき姿は見えない。迷子にでもなってしまったか。
「どうしたの?」
近づいて声を掛けると、その女の子が空に向かって人差し指を向ける。
その指を辿って見上げると、そこには真っ赤な風船が風に揺られて気持ちよさそうにゆらゆらしていた。木の枝に引っ掛かっているのだ。風船を飛ばされて泣いていたらしい。