一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

「そうだよ。せっかく拾ったんだから、そのままゴミ箱へどうぞ」


アイスを舌で舐めまわしながら右手で指し示す。


「でも捨てたのはあなたたちですから」
「その証拠は?」
「証拠?」
「そ。だって、それっておねえさんしか見てないんだよね? ほかに誰か証明してくれる人は?」


ニタニタと嫌な笑みを浮かべて、ふたり組が実花子をけん制する。


「いないよねー」


膝を曲げ伸ばししながらふたりでうなずき合った。

そもそも証拠はあるのかと口にする人は、たいていが黒だ。テレビドラマのサスペンスでも、そうだと相場は決まっている。それになにより実花子は目撃者だ。


「とにかくちゃんと捨ててください」


強情だとは思う。面倒なことに巻き込まれるくらいなら、自分が捨てればよかったと思わなくもない。でも、ここまできて引っ込みがつかなくなった。
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