一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

「上原祐介という者がここに運ばれたと思うのですが……」


救急の受付で尋ねると、女性が手もとの書類を確認する。


「ウエハラ ユウスケさんですね?」
「はい……」
「では、そこの通路を真っすぐ進んで、突き当りの左に曲がった処置室の看護師に聞いてみてください」


女性は身振りで道順を説明すると、軽く一礼してべつの作業に取り掛かった。

言われた通りに拓海とふたりで足を進めて処置室の近くまでいくと、中では看護師が慌ただしそうに行き交っていた。


「あの、すみません……」


実花子の声に反応したひとりの看護師が手を止めてやって来た。


「上原祐介の家族の者なんですが」


すぐにはわからなかったようで、看護師が独り言のように「上原さんね、上原さん……」と呟く。
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