一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
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自宅に祐介以外の男の人がいる事態は今まであっただろうか。いや、実花子の記憶が間違っていなければなかったはずだ。
大学時代の彼でさえ、祐介を敬遠して近づかなかった。どちらかの部屋といえば、もっぱら彼のほうだった。
その部屋に今、拓海がいる。しかもキッチンに実花子と並んですき焼きの準備をしているのだから、なんともくすぐったい光景だ。
普段、祐介が使っているグレーのエプロンをつけた姿が、実花子の心を妙に惑わせる。
ついチラチラと横目で見る実花子に気づいて、拓海が「なに?」と不思議そうに何度も首をかしげた。
「そろそろ食べごろじゃないか、祐介くん」
テーブルに置いたコンロの上でグツグツといい具合に煮えてきたすき焼きを前に、実花子たちはそれぞれに皿と箸を持って待ち構える。いい匂いにお腹の虫は何度も鳴いていた。
「よっしゃ。それじゃお先に」
祐介が真っ先に鍋へ箸を突入。溶いた卵をくぐらせ、ひと思いに肉の塊を口の中に放り込んだ。熱さと格闘しながら、やっとの思いで飲み込んだ祐介を拓海とふたりで見つめる。