一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~


「実花子」


拓海に引き寄せられ、すっぽりとその腕に収まる。


「もう泣かないで。俺はこうして無事だから」


優しく背中をさすられると、余計に涙が込み上げる。いつの間にか育っていた恋心が拓海を欲しているのかもしれない。
絶対に好きにならない自信があった。絶対に振られる自信も。
にこやかな顔をして自分のペースに巻き込むばかりの拓海に、反発心だってあった。

そんな考えとは裏腹に、気づけば拓海に心を奪われていたなんて。


「実花子が俺を救ってくれたんだ」
「私が? どういうことですか?」


聞き返したものの、拓海はクスッと笑うだけ。そっと体を引き離した彼が、実花子の顔を覗き込む。必然的に合った視線は、もう逸らしようもない。熱いまなざしが実花子の鼓動を速めた。

実花子が瞼を閉じるより早く、やわらかい唇が重なる。優しく合わせては軽く食む。控えめなキスを繰り返していた拓海だったが、舌先で先導するように実花子の唇を開かせる。薄く開いた隙間から一気に舌が入り込んできた。
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