一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
朝はバタバタして食事どころでなかったため、ホッとしたら急にお腹が空いたのだ。
大量に注文する実花子を前にしても、千沙は慣れたものだ。
「そっかぁ、無事でよかった」
実花子の話を聞いた千沙の顔から、一気に緊張が解けていく。
「でも、物騒な事件に巻き込まれちゃったね。社内も騒然としてるよ」
付き合いが短いとはいえ、親会社の社長が暴漢に襲われて意識不明の重体だと聞かされれば当然だろう。千沙によると、弁護士からメディアテックの岡野宛に連絡が入り、ニュースで報じていたとおりの内容が伝えられたらしい。
その弁護士は、おそらく白鳥だろう。
「椎名社長とうまくいってるんだね」
「えっ……?」
「ちょっと前まで、振られるために付き合ってるって。好きでもなんでもないって言ってたのにねー」
千沙が含ませたように笑う。
「意識不明の重体だって聞いて、泣いちゃうくらいなんだもん。好きなんだよねー」