一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
胸の前で手を組んで小首をかしげ、千沙は目をキラキラさせた。この手の話は彼女の大好物だ。
「それはその……」
対して実花子は大の苦手である。なにをどう話したらいいのかわからず口ごもる。
おまけに顔までカーッと熱くなるから厄介だ。鏡を見なくても、茹でダコ並みに真っ赤なのは明らかだった。
これでは、千沙の言うとおりだという証明にしかならない。案の定、千沙は「キャー! 実花子ちゃんってばかわいい!」とからかう。
「最近の実花子ちゃんは、ほんと女らしいもん。誰がどう見たって、恋する乙女にしか見えない」
それは、単にスカートを履いているからでは?と勘繰りたくなる。今までが女性らしさとは無縁過ぎたのだ。だから、スカートを履いただけで女らしく見えるだけ。
「実花子ちゃん、結婚するのかぁ」
千沙の言葉でふと思い出した。それは、拓海が結婚相手に求める条件だ。
愛情は二の次。サバサバして嫉妬や女性らしさとは無縁の人だと。
ついさっき病院へ駆けつけたときの自分の言動を思い起こす。