一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

拓海の無事な姿を見て、実花子は泣いた。どうして連絡をくれなかったのかと責めた。
加えて、このスカート。千沙に友人の欲目があるとしても、一応は女性らしさをアピールできている。

つまり、すべてが拓海の避けたくなるタイプにぴったり当てはまる。
ということは最初の実花子の思惑どおり、拓海に振られる可能性が大きい。


「実花子ちゃん? どうかした?」
「あ、ううん……」
「わかった。祐介くんのことでしょう」
「……祐介? ……あ、うん、そうだね」


一瞬なんのことかポカンとするとは姉失格だ。あれほど、祐介がいるから結婚はまだまだ先だと言っていたくせに、自分の気持ちが拓海に向いた途端、それが頭から抜け落ちるのだから。口先だけの偽善者もいいところだ。


「まだ中学生だもんね。なかなか難しいか。実花子ちゃんが結婚に真っすぐ向かえないのはわかるよ」


もちろんそこは重要なポイントだけれど、それだけではない。なにしろ拓海は実花子を好きなわけではないのだから。
現段階で拓海が実花子に優しく接しているのは、結婚生活を送るうえで邪魔にならない、都合の良い妻の機嫌をとるため。拓海好みの女性像から離れたため、失恋も覚悟しなくてはならない。
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