一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

店主から出された焼酎のグラスを受け取る手を注視しながら、白鳥が「なんだい?」と耳を傾ける。


「拓海さんは、どうして企業買収を進めるんですか?」
「いい質問だねぇ、実花子ちゃん」


白鳥は顔を綻ばせた。


「実花子ちゃんは、どう考える?」
「え……私、ですか?」


そっくりそのまま質問で返されるとは思わず、言葉に詰まる。

いくつもの会社を傘下に治めてきた拓海。自分の会社がありながら、どうしてほかにまで手を伸ばすのだろうか。今回の事件がなければ疑問にすら思わなかったかもしれない。

身の安全さえ脅かされる危険を孕んでいるのに、そこまでする理由が実花子にはわからない。
あるとすれば……


「お金、でしょうか」
「なるほど。それももちろんあるだろうね」


〝それも〟ということは、本当の理由はそこではないのだろうか。そうなると実花子はやはり首を捻るしかなさそうだ。
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