一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
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仕事を放って帰るなんて、公私混同もいいところだ。今まで一度も、そんな失態をやらかしたことはなかったのに。
男の人の行動ひとつで、心を右にも左にも大きく揺さぶられるとは……。
胸の奥をチリチリと焦がす痛みからも、嘲笑う世間の目からも逃れたくて、ベッドの上で毛布を頭から被った。
文字どおり自宅へ逃げ帰ってきたのだ。
悶々としながらベッドで膝を抱えること数時間。ふと、玄関のほうから賑やかな声がしていると気づいた。
祐介が友達でも連れてきたのだろうか。
腰を浮かせると、実花子の部屋のドアが開いた。学校から帰った祐介が顔を覗かせたのだ。
「今日は随分と早いじゃん」
いつもの平日なら祐介より早いことはめったにない。それなのに彼は心配しているよりは、どこかうれしそうな顔だ。
どうしてだろうかと疑問に思っていると、「お客さんを連れてきた」と祐介が告げる。
「祐介の友達?」
「違うよ」