一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~


大丈夫?ってなんなのだ。あんなシーンを見せつけておいて、それはないだろう。

真里亜に寄り添っていた場面を思い出して、胸の奥がざわつく。胸くそ悪いというのはこれだ。
しかも、病院で会って以来だというのに、その第一声もおかしい。〝心配かけたね〟とか〝無事に解決したよ〟とか、そういうひとことが先で然るべきだ。

どんどんイライラが募っていく。

それなのに拓海は、「頭でも痛い?」と呑気に実花子の額に手を当てた。


「べつに痛くありません」


それを無下に払う実花子も大人げないが、素直に受け入れられない気持ちも察してほしい。それもこれもすべて、一方通行の恋心ゆえ。恋人という立場にありながら、拓海の気持ちが自分に向かない空しさを持て余しているから。


「それじゃ、そのしかめっ面はなに?」
「……元からこういう顔なんです」


かわいい顔でないのは、拓海も承知のうえだろう。それを今さらどうこう言わないでほしい。


「なにか怒ってる?」
「いえ」
「いや、絶対怒ってる」
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