一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

実花子の機嫌の悪さに気づきながら、その理由は思い当たらないとは、拓海はどれだけお気楽な性格なのか。

そこでふと思い出した。拓海は立場柄、女絡みのことには目を瞑れる女性を求めていたのだ。だから、ほかの女性の肩を抱いているのを見せようが構わない。それでも動じないような女性がいいのだ。

それならいっそ実花子は本音をぶちまけて、今すぐここで振られたほうがいい。このままズルズル付き合っても、将来は見えているのだから。いつか振られるなら、傷が浅いうちのほうがいい。そもそも、それこそが実花子の目的だったはずだ。

拓海はベッドに腰を下ろした。


「実花子?」


小首をかしげて顔を覗き込む。目を逸らし続ける実花子の両頬を拓海の手が包み込んだ。そのあたたかさにも背を向ける。


「……拓海さん、もうこんなことは終わりにしませんか」
「こんなことって?」
「恋人ごっこ」
「ごっこなんかじゃないだろう? 実花子は正真正銘の恋人じゃないか」
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