一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~


それは違う。拓海の軽い口調は、実花子たちの関係を余計に希薄なものに感じさせる。ニコニコと浮かべる笑みは、ジョークのひとつでも言っているようだ。


「私は拓海さんが思っているような女じゃないんです」


拓海の手を引き離す。


「好きな人の前では女らしくいたいと思うし、嫉妬だってします」


自分でも、こんな風になるとは思っていなかった。恋は当分しないと決めていたのに、その決意も揺らいでしまうほど、拓海を好きになるなんて想像もしていなかった。
振られるために振舞ってきたはずが、いつしか振り向いてほしいと願っていた。


「どうして、すぐに連絡してくれなかったんですか? 真っ先に行く先が私じゃなくて、どうして菊池さんなんですか? どうして菊池さんを抱き寄せたりしたんですか? どうして」


本音を漏らすたびに、唇が震える。胸の奥が苦しくなる。
こんな思いをするくらいなら、一緒にいないほうがいい。
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