一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
拓海の顔から笑顔が消える。揺れる瞳からは、戸惑いが見てとれた。
「……もうわかりましたか? これが私なんです。全然サバサバしてないし、嫉妬にも狂う。拓海さんの必要とする理想の女じゃないんです」
だからもう、出ていって。
ベッドサイドに立ち上がり、拓海の腕を引っ張った。
いつもなら、このくらいの力でよろけるような拓海ではないのに、今回ばかりは実花子に引かれるままベッドから降り立った。
そのままドアまで腕を引っぱり、部屋から無理やり出ていかせた。
「あれ? 椎名さん、どうしたの? ねえちゃんは?」
「あ、うん……。体調が悪いようだから、今日は帰るよ」
扉を閉めてもたれかかると、ドアの向こうから拓海と祐介のやり取りが聞こえてきた。
「そっか。それじゃ、またね」
「バスケ頑張れよ」
「うん!」
遠ざかる足音と共に、一気に家の中が静まり返った。