一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

「どうしたの? なにかあるの?」


視線を落とすと、そこには頼りない明かりを灯した街灯の下に立つ人影が見えた。
あれは……。


「椎名さんだよね?」


祐介の視線が実花子へ舞い戻る。


「ケンカでもしたの? さっき帰るとき、なんだか様子がおかしかったし」


あんなところでなにをしているの。どうして帰らないの。


「行ってきなよ。雨だって降ってるし。椎名さん、風邪ひいちゃうよ」
「でも……」
「でもじゃない。ったく、面倒くせーな。ほら、早く行けよ」


祐介が実花子の背中を押す。玄関までそうすると、立てかけてあった傘を持たせた。

そうまでされて行かないわけにもいかない。渋々というか嫌々というか、実花子は拓海の元へ向かった。
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