一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
話すことが見つからなくて、終始無言のエレベーター内。拓海もいつものような軽い調子がまったく見えなくて、それがさらに居心地を悪くさせる。
いっそ拓海が立っていると祐介が気づかなければよかったのにと責任転嫁をした。
「椎名さん、大丈夫!?」
祐介は実花子よりなにより、拓海が気になるみたいだ。部屋に戻るなり、タオルを持って待ち構えていた。
「ありがとう、祐介くん」
それを受け取った拓海が、頭をゴシゴシと拭う。
「ね、椎名さん、そのままじゃ風邪ひいちゃうよ。シャワー浴びて着替えたほうがいい」
祐介がとんでもないことを言う。だいたい、拓海に見合う着替えはない。
「俺のジャージで良ければ貸すから」
身長一六〇センチの祐介に対して、拓海はざっと一八〇センチ近く。祐介のものでは寸足らずだろう。それなのに拓海は、祐介の提案に「いいの?」と乗り気だ。