一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
「ありがとう、祐介」
「両親が死んでから、ねえちゃんにはずっと苦労かけっぱなしだったから。……幸せになってほしいんだ」
すんでのところで止めていた涙が一気に溢れた。
ハンカチを隣から差し出す拓海と、ティッシュペーパーの箱を差し出す祐介。どちらも受け取ると、ふたりとも満面の笑みを浮かべた。
「それと、もうひとつあるんだ、祐介くん」
「まだなにかあるの?」
「祐介くんもお姉さんと一緒に来てほしいんだ」
「来てほしいって、どこに?」
祐介がポカンとする。
「新居を構えるまでは今の俺のマンションになるけど、そこには祐介くんの部屋も用意する」
「……はぁ? なに言ってんの? 新婚の家庭に俺なんかがいたら邪魔じゃん」
「邪魔なもんか。これはお姉さんじゃなく、俺がお願いしたいんだ。兄弟ごっこに少しの間、付き合ってくれないか?」
祐介に負担を感じさせないように言っている拓海が、本当にありがたかった。ここまで実花子たちのことを考えてくれる人は、この先きっと現れない。