一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~


「どこに行ったんですか?」
「箱根の温泉」
「いいですね」


写真からでも楽しそうな雰囲気は伝わってくる。


「今度ふたりで行こうか」
「ほんとですか?」


それはぜひ行きたい。拓海とふたりで温泉に入って、おいしい料理を食べて、景色を楽しんで。
夜は……。
変なところに飛びそうな妄想を慌ててストップさせ、ゆっくり写真をめくっていった。

すると、三枚目に真里亜を見つけて指が止まる。芦ノ湖の遊覧船をバックにして、拓海に寄り添っていた。
真里亜も起業当時からの社員だったのだ。ほかの写真にも当然ながら彼女が写っていて、それがたいてい拓海にぴったりとくっついているものばかりで、嫌なモヤモヤが胸の中に募っていく。

真里亜以外のメンバーは全員男性。その中で、拓海の隣ばかりを選んでいるのが見て取れた。
真里亜はずっと前から拓海を好きなのだ。
拓海は拓海で、まんざらでもなさそうな顔。中には頬を寄せ合ってピースしているものもあった。

昔のこと。子どもじみた嫉妬に駆られるなんて本当にどうかしている。なんとか落ち着こうと息を大きく吸った。
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