一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
一歩出した足を戻して再び柱にもたれようとすると、その車から降りてきた男の人が実花子の目の前で立ち止まった。
誰だろうと思いつつ会社関係の人かもしれないと、視線を合わせたまま会釈する。
「上原実花子さんですよね? 椎名社長に頼まれて、お迎えにあがりました」
その男性がにこやかな顔で言う。
突然そう言われて、つい身構えた。
「出先の用事がまだ済まないので、あまりお待たせしたくないと」
拓海が午後から出掛けているのは実花子も知っているが、まだ帰ってきていなかったらしい。真里亜の姿は見えたから、拓海ひとりなのだろう。
「そうですか」
念のために直接確認しようと、バッグを漁ってスマートフォンを取り出す。
「取り込んでいて、今は出られないかと思います」
実花子が連絡先を開こうとしていると、男性が先回りして告げた。