一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
それなら仕方ないと、スマートフォンをバッグへ戻す。
「あの、お名前は……?」
「あ、失礼しました。大里と申します」
彼の胸ポケットから取り出された名刺は、トレンダーズクリエイトの社名が入ったものだった。わざわざ迎えによこすくらいなのだから、いつも拓海をサポートしている人なのだろう。
見た目だと三十代。拓海と同年代だと思われた。中肉中背の柔和な感じのする人だった。
「では、行きましょうか」
大里が右手で車を差した。
エントランスのドアを抜けて停車している車の後部座席へと乗り込むと、すぐに車が発進する。
「喉乾いていませんか?」
「いえ、大丈夫です」
大里に尋ねられて答えると、運転しながら彼がお茶のペットボトルを器用に差し出す。
「さっき、自販機で間違えて押してしまったんです。よかったら、飲んでいただけませんか?」