一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
実花子がスマートフォンに向かって叫ぶ。拓海の足手まといには絶対になりたくない。
「私なら大丈夫です! 自分でなんとかできます!」
「なんとかするって、どうやってするんですか? 実花子さん」
さも無理だと言わんばかりに大里が嘲笑する。
それはわからない。でも、とにかく自力でなんとかしなければ。拓海に迷惑はかけたくない。
大里が中に入ってきたとき、たしかカギは締めていない。今なら脱出できるはずだ。
実花子がドアをめがけて駆けだす。
「あ、おい!」
伸ばしてきた大里の手を振り払い、ドアまであともう少しというところだった。呆気なく追いついた大里に肩を掴まれて、強く引き戻される。反動でその場に無様に倒された。
「キャッ」
『実花子!? どうしたんだ!?』
「無茶はよしたほうがいいですよ。それに、ここから出られたとしても助けを呼べるような人は周りにいません」
両手を突いて体を起こし、実花子は仁王立ちしている大里を悔しさいっぱいに睨み上げた。