一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
電話を切ると、大里は実花子をじっと観察しはじめた。ジャケットのポケットを探りながら実花子に近づく。
なにをされるのだろうかと体を強張らせ、足を横に投げ出して座り込んだままうしろへズルズル下がる。
「これ、使ってください」
大里から差し出されたのはハンカチだった。
「……え?」
「足、血が出てます」
言われて見てみると、擦り剥いたところに血が滲んでいた。どうりでヒリヒリするわけだ。
「いいです」
このくらい大した傷ではない。それに大里から施しをされるのはごめんだ。
「遠慮しないでください。さっきは手荒な真似をしてすみませんでした」
謝るなら、実花子にではなく拓海にしてほしい。こんなことで取引をするなんて卑怯だ。