一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

「祐介が勝手なことをして……」
「こっちこそ、無理に引き留めて悪かった」


拓海が首を横に振る。祐介のことを考えてくれたうえのこと。拓海がいやいやこの場に留まってくれたのはよくわかっている。いつだって笑顔の拓海が、ニコリともしないのだから。


「仕事は順調ですか? って余計なお世話ですよね。ごめんなさい」
「順調だよ」
「そ、そうですか。よかった……。ちゃんとご飯は食べてますか? 睡眠は? あ、これも余計なことですよね」


ほかの話題がなにひとつ浮かばなくて余計に焦り、早く地上に着かないかと願うばかり。


「今夜も揺らめいてるね」


拓海がポツリと呟いた。

なんの話かと彼を見ると、拓海は窓枠に片方の肘を突いて遠くへ視線を投げかけていた。
夜景のことだとそこで気づく。拓海にはじめて連れていってもらったフレンチレストランから見えた夜景が、どうしてゆらゆらと揺れて見えるのか聞いたときの夜を思い出した。

夜空の蜃気楼。揺れる街のネオンが今夜も綺麗だった。
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