一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
いったいどこから間違えてしまったのだろう。どこで拓海に嫌われたのだろう。
あの夜の実花子なら、まだ拓海の望む女性像からそれほどぶれていなかったはず。あそこからもう一度やり直せたら、少しずつ生じた歪みをもとに戻せるのに。
叶わない願を抱えるほど、胸が押しつぶされるように苦しかった。
観覧車を降りると、当然スルーして帰るだろう考えていた記念写真を拓海は受け取り、「俺が処分しておくよ」としまい込んだ。
処分という言葉が胸に突き刺さる。実花子とのことは、全部なかったことにされるのが途方もなく悲しかった。
「そろそろ帰ろう」
入り口に向けて歩きだした拓海を「ちょっと待ってください」と思わず呼び止める。
「あの……お腹空いてないですか? 私、夜ご飯抜きでここへ来ちゃって。よかったら一緒にどうかなって」
この期に及んで誘ってしまった。
もう少しだけでいい。一緒にいたい。
どんなにぎくしゃくしていようが、拓海のそばがいいと思ってしまう。いるほどにつらくなるのに。