一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
仕事にカタがつけば拓海の気持ちも落ち着くだろうと言っていた白鳥だが、それは希望的観測に過ぎない。拓海の実花子に対する態度は、あの夜の遊園地のときとまったく変わらず、むしろ悪化しているようにも見える。
それはつまり実花子は仕事とは無関係で、宣告したとおり嫌いになっただけ。それも顔を見るのも嫌なほどに。
一瞬で好きになるのがあるのと同様に、一瞬で嫌いになるのだってあるはず。
「実花子ちゃんは、今仕事帰りかい?」
「あ、いえ……」
そこで私の隣に立つ高木に気づき、白鳥が目を瞬かせる。
「こちらは……?」
「えっと、高木さんです」
突然の紹介に高木は実花子にチラッと視線をよこしたあと、慌てて「高木と申します」と頭を下げた。
実花子と高木の間に何度も視線を往復させ、「まさか、新しい彼氏?」と困り顔で白鳥が聞く。
実花子が咄嗟に拓海の顔を見ると、合った視線をパッと外された。
「いえっ、そんなんじゃ。今ちょっと習い事をしていて、その先生なんです」