一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
「なーに言ってるんだ。まったく世話がかかるんだから困っちゃうよ」
実花子たちの肩から手を離すと、白鳥は拓海を捕獲しにかかった。腕を掴み、強引に引っ張る。拓海は渋々という感じで着いてきた。
白鳥に連れられてやって来たのは、日本料亭をこぢんまりとさせたような店だった。カウンター席が五つに、小上がりの座敷にテーブルが三つ。カウンターの中のキャビネットには、白鳥が言っていたように焼酎がずらりと並んでいた。
夜の九時半を過ぎれば、客足が途絶えるのも当然。実花子たちのほかにはカウンターに初老の男性がいるだけだった。
五十代くらいのおかみさんらしき着物の女性に案内されて座敷へ上がる。白鳥と拓海が並んで座る前に、高木と実花子が並ぶ。
うまく誘導するつもりが、うっかり拓海の前に座ってしまった。
「りっちゃん、料理は適当に見繕ってもらってもいいかい?」
「はいはい、わかりました。焼酎はボトルでいい?」
「うん、頼むよ」
りっちゃんと呼ばれたおかみは、柔和な笑みを浮かべて実花子たちを見た。