一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

なんだそんなことかと、拍子抜けしたような表情だった。


「私、まだ結婚するつもりはないんです」
「二十八歳なんだし、おかしくないだろう?」
「おかしくはありませんが、私に結婚するつもりがないんです」


強気に出なければ負けると思い、ピシャリと言ってのける。スマートフォンをバッグに突っ込み、椅子を鳴らして立ち上がった。


「それでは、失礼します」


お辞儀をして顔を上げると、こんな状況下なのに拓海はなぜか余裕の微笑みだった。
なんて人なのだろうか。


「俺、あきらめは悪いほうなんだ。断固として結婚しないと言い張るのなら、俺もキミとの結婚は絶対に実現させる」


次から次へと考えられない言葉が拓海の口から飛び出す。まったく意味不明だ。

ここまではっきりと断っている相手を前にして笑っていられる神経に唖然とする。
頭の中はいったいどうなっているのか。

穏やかな表情の拓海と、顔の引きつった実花子。ちぐはぐな取り合わせもいいところだ。
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