一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
それはあの写真だったのだ。別れたあとに祐介の策略で行った遊園地。観覧車の前でスタッフに無理やり撮らされた写真だ。
処分しておくからと拓海が預かったものが、今ここにある。
写真のふたりの間には微妙な距離が空いていて、表情は能面のように真顔。恋人同士には絶対に見えない写真だ。
ぎこちなさに笑う反面、そのときを思い出して切なくなる。
あのときは、実花子だけでなく拓海もつらかったのだ。
「実花子、あのときは本当にごめん……」
拓海の少しかすれた声に息が詰まる思いがする。実花子はその腕の中で首を横に振った。
そんな拓海の気持ちも知らずに、自分の思いばかりを押しつけたことが悔やまれる。
「あのとき、実花子を抱きしめたくて、俺がどれだけ我慢したか……」
拓海は実花子を振り返らせると、両肩に手を置いて熱いまなざしを向けた。
するとそこで、軽い咳払いが聞こえてハッと息を飲む。
「俺、ちょっとコンビニに行ってくるからさ。喉も乾いたし」