一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~


気にしていたと言えばそうだが、全面的に実花子たちが悪いのだから祐介が申し訳なく思う必要はない。


「結婚、いいと思うよ」
「え?」


耳を疑う祐介の言葉にポカンと聞き返す。


「ねえちゃんがしたいのなら、それでいいと思う」
「違うの、それは。この前ね、無理やりお見合いみたいなことさせられて。それで、椎名さんがなんだかちょっとアレで」
「照れなくてもいいって」


早口で釈明する実花子を祐介が遮る。
照れているわけでは決してない。


「本当なの。私は結婚しないの。だから、昨夜のことは悪い夢でも見たと思って忘れて」


それが一番だ。付き合うのは百歩譲って了承しても、実花子は振られる予定なのだから。別れ前提で付き合うのもおかしな話かもしれないが。


「ふーん」


祐介は昨夜に引き続き気のない素振りで返事をして、焼きたらこを一本丸々頬張った。

< 96 / 411 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop