皇女殿下の幸せフェードアウト計画
私がそちらへ歩み出したことに、円卓に座っていた人々がぎょっとした顔をした。それを無視してフォルセティの前に立てば、彼は恭しく礼をとって私を椅子までエスコートしてくれた。

座って改めて前を見れば、円卓にいた人間のほとんどが唖然とした顔をしているではないか。

誰も彼もが私がちゃんとした席を用意されていないと癇癪を起し、喚き散らすもんだと思っていたってわけね。

(……そこまで子供だと思われたのかしら)

少なくとも物語上の設定と違って、十歳の頃から私がとっていた行動はそこまで非常識って程じゃないと思うんだけど。

まあ、好かれる行動はしてないとはいえ……まったくもって遺憾だわ。

(陛下までびっくりしているとか、ほんとにもう!!)

驚いていないのは、将軍とロベルトくらいかしら。

(いえ……変ね、彼には嫌われていると思ったんだけど気遣わし気なように見えるわ)

ロベルトは泣きそうな顔をしているから私を不憫に思っていることは間違いないと思う。将軍は厳しい顔をしているけれど、やっぱり心配してくれているよう。

だけど、幼馴染はどうしてだろう?

彼が結婚した際に、クッキーを贈ったりしたことで嫌われていたと思うんだけど、なぜか今は心配そうな顔をしているような気がする。あんまり腹芸が得意な人じゃなかったから、あれが演技だとは思えない。

(あれが演技だったら私は人間不信になるかもしれない)
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