皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「此度は皆もうすうす気づいていたと思うが、皇后さまと皇弟殿下の不義密通についてと、先日お迎えすることとなったラエティティア様のご息女リリス様……そしてイリス様の皇位継承権について話を進めたい」

「不義密通については死罪よりあるまい」

「国民には病死として知らせるのが良いであろう」

「しかし、皇后陛下はその財をもってこの国を栄えさせた功績或るお方」

「だからこそ、名誉の死をもって……」

次々に出てくる言葉を、お母様はどんな気持ちで聞いているのだろう。

私は、ただ茫洋とそれを眺めるばかりだ。

まるで他人事のような態度だと見ている人は思うかもしれない。だけど、やっぱりどこか現実離れしているような気分は抜けない。当事者だとわかっているし、あの日服毒しようとしたお母様の姿は今でも目に焼き付いて離れない。

現実だとわかっていて、それでも……多分、私が無力だから。
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