皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「良いだろう、許す」

「ありがとうございます」

私は一礼をすると、体の向きを変えてお母様と叔父様を見た。

二人とも私が発言権を得たからか、こちらを見ていた。

……二人とも、私の記憶にある姿よりも随分頬がこけていて疲れているように見える。自業自得とはいえ、当たり前だろうなと思うと、少し胸が痛む。

けれど今そんなことを考えている場合ではない。

「叔父様」

「……なんだい」

私の記憶の中で、あまり接した記憶のない叔父様。

皇帝陛下といつも比べられて、困ったような笑みを浮かべている優しい人という印象しかなかった。大公という地位で地方を治めていただいているけれど、決して優遇されているように思えないのは多分私だけじゃないはずだ。

そのうっ憤から、お母様とこういう関係になったのならば、そこは改めていただきたい。お母様は……叔父様を、愛しておられるのだから。

「叔父様のお気持ちをお聞かせ願えませんか。お母様をどうお思いなのか。この国に対してどう思っておられるのか」

「……ぼくは、兄上が妬ましかった」

私の声に、叔父様は落ちくぼんだ目で私をまっすぐに見てはっきりと、そう口にした。

きっと今、それを耳にして皇帝陛下は苦しい気持ちになったのではないだろうか。少なくとも物語上は、気持ちの行き違いがあるとはいえ、陛下は大公殿下を弟として大切にしていたから。
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