皇女殿下の幸せフェードアウト計画
踏みとどまるのよイリス、これを乗り越えさえすれば私は傍観者になれるのだから!

「陛下が愛を手に入れたのであれば、愛を見つけたお二人にも、どうぞご恩情を賜りますよう」

私がそう言ってドレスの端をもって深く頭を下げれば、ただただ視線が突き刺さるようで恐ろしい。

だけどここで怯んだ姿を見せては、台無しだとわかっているからお辞儀はなんとしてでも維持してみせた。

「……そなたは、どのように望むのだ」

「陛下の恩情をもって、大公と皇后を流行病での病死とし、私の皇位継承権返上をもって二人をどこか遠方の地にて新たなる名と身分をお与えくださいますようお願い奉ります」

「イ、イリス……そなた……」

「許されるのであれば、陛下! イリス、君も娘として迎え、平民としてでいい。再出発を……」

「それはできません」

叔父様がそこまで言ってくれるとは思わなかった。

だけど私はその甘い話をきっぱりさっぱり断った。

それでは意味がないのだ。そこまで世の中甘くない。私だって勉強している。
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