皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「陛下! 陛下! どうかイリス様にこそ、ご恩情をかけるべきですぞ!!」

「しかし、このようなことを申し上げては何だが皇后陛下の不義が大公殿下ともなればイリス様は果たして……」

「貴様、この場でそのような!」

「だがイリス様の目は確かに皇族の色だぞ!」

「だからこそだ、大公殿下も同じ目の色をしていらっしゃる!!」

ロベルトの悲痛な声に他の貴族たちが思い思いに意見を発し始めたのを見て、私は自分が思いの外傷ついていることを知った。

私の父親がどちらか。陛下か、大公殿下か。

そのことについては言及されるとわかっていたし、愛されていないと知っているからこそその話題になっても傷つかないと思っていたけれど……イリスは、傷ついていた。

少なくともそうよね。記憶を取り戻す前まであんなにお父さまが好きだったんだもの。

(……当然、だよね)

前世の記憶を取り戻そうと、私は私。

イリス・アルセイディア。

父を愛し敬い、誇っていたそれは確かに私のものなのだから。
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