皇女殿下の幸せフェードアウト計画
そう思ってた時期がワタシにもありました。

なんていうかね、母さんが心配するのもよーくわかるのよね。このオヒメサマ、ほっとけない。

大体さ、言ってることがただの子供のワガママなの。癇癪で物投げるっていっても大したものも投げないの。枕とか小さなぬいぐるみとかその程度よ?

多少口が悪いなって思う時もあるけど、それはまあ生まれながらのオヒメサマだもん。しょうがないんじゃないかなって許容範囲だった。

ワタシんちの隣に住んでるガキどもの方がもっととんでもない悪口言ってくるから、可愛いもんよ。

ところがそのオヒメサマ、ちょいちょい熱を出す体質だったんだけど十歳を境にぱたりと癇癪をしなくなった。っていうか、多分あれは諦めちゃったんだろうなって思う。

母さんもそうだけど、この国の人ってのは皇帝陛下を神聖視しているところがあって、ちょっとついていけない時があるんだけど、まあそれはいいのよ。皇帝陛下がこの国を豊かにしてくれて、幸せな暮らしができてるってのは事実だから。

でもそれを、周りの大人が十歳に満たない女の子に求めて、勝手に失望して、ほっといて……それがワタシには信じられなかった。
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