皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「陛下が長年かけた経験で培ったものと同じものを、我々は子供に求めていたのです。なんとも滑稽な話ではありませんか」

だけど、ユゼフのその言葉には私自身の心が助けられるような気がした。

(――……皇女だから、仕方がないって思っていた)

諦めにも似た気持ちだ。それを、誰かが知ってくれてそこから助け出してくれたらなんて考えたこともあった。前世を思い出してからは特に。

物語ではそんな暗い所で足を止めてしまったままのイリスを、フォルセティが助け出してくれて……でも、今、違った。

「ルイーズに言われるまで私も、間違っていると気づきませんでした。偉大なる陛下のご息女であるならば、きっとできるはずだと……陛下も同じ人間であるならば、彼女もまた同じ人間だと、そこにいるフォルセティ殿にも叱られてしまいました」

私はユゼフの言葉に思わずはっとして警護に就く彼を見た。

フォルセティはその視線に気が付いても、ただ静かに目を伏せてみせただけだ。

「どうして……」

思わず漏れるように、フォルセティに問えば彼は少しだけ躊躇うようにして、陛下の方を見る。

許しを得ずに発言をしないなんて、やっぱり彼はきちんと道理を弁えているんだな……なんてちょっと変なところで感心してしまった。
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