皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「おっと、随分と話し込んでしまいましたね。申し訳ございませんが、これより視察に向かわねばならぬところがありまして私はこれにて失礼をいたします」

「まあユゼフ、忙しい中来てくれたのだから気にしないわ。むしろごめんなさい、仕事の合間に来てくれたのね」

「……もしお許しいただけるなら、またこうして昔と同じように時々話をさせていただけますか」

「勿論よ。ルイーズもその時には来てほしいわ……リリス、お姉様のことも、紹介したいし」

私は陛下たちの手前少しだけ躊躇いがあったけど、見送ることにした。

けれど私が立ち上がるよりもほんの少しだけ早く、陛下も立ち上がった。

「え、あ……」

「余も政務に戻らねばならぬ。……考えねばならぬことが増えたからな」

「さ、さようですか。お忙しい中ありがとうございました、陛下」

ユゼフは私たちのやり取りを見て何か笑いを堪えつつ、軽く手を振って去ってしまった。
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