皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「そうだな、おれはまだ姫のことを知らないのだろう」

「ええ、そうよ。その通りだわ、だから」

「だから、おれは姫のことをもっと知ろうと思う。初めは礼を言うためにその姿を目で追った。愛らしいなと思った」

「え、あの」

「次いでアルトロの話を聞いて、貴女の様子を知った」

「ちょ、ちょっと待って」

私の静止の言葉を聞かず、フォルセティは薄く笑みを浮かべる。

待って、リリスとウルスラが見ているのになにこの羞恥プレイ! いや二人っきりだったらもっと困るんだけどね!?

口から心臓が飛び出そうなほどドキドキし始めたし、耳まで真っ赤になっていると思う。自分でも暑くてたまらないもの。

「あの日の事件での気丈な振る舞いも、その後に凛として立つ姿も、いずれも好ましいものだ。おれは、貴女をもっと知りたい」

「え、あ、う……」

これは、本当に、口説かれていると思っていいのだろうか?

さすがにここまで言われて『皇位継承権を持っているから』だけで好意を持っているとは思えなかった。というか、思いたくない。

どうしよう、すごく嬉しいのに、声がまるで出てこない。

口を開いたら心臓が飛び出そうだ!
< 185 / 370 >

この作品をシェア

pagetop