皇女殿下の幸せフェードアウト計画
だけど。

「そのフォルセティがどうやらイリス様に好意を抱いているようでね。幼馴染としても、友人としても応援したいなと思っているんだ。……彼なら、きっとイリス様自身を見てくれるに違いないからね」

「そうだといいわね」

ふっとルイーズが笑う。

だけれど、私は妻のようにはまだ笑えない。

幼馴染の少女を、何一つ知ろうとしなかった私は、贖罪を続けるのだ。

それが終わるまで、幼馴染として笑い合える日は戻ってこない気がしたから。

(本当に?)

小さな疑問が頭にぽっと浮かんだと同時に、唐突に思い出した。

いつだったのかは思い出せない、それでも幼い頃にルイーズも一緒にいて、何かの話をしていた時だったと思う。

幼いイリスは言ったじゃないか。

『ユゼフは馬鹿ね! お前はただ私に対して普通にすればいいんだわ!』

そうだ、イリスは言ってくれたじゃないか。

あんなに、はっきりと。

―― お前も私の幼馴染なんだから!
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